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LEE RITENOUR & DAVE GRUSIN with BRASILIAN FRIENDS featuring IVAN LINS

artist DAVE GRUSIN , LEE RITENOUR

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ブラジル音楽ファンとジャズ・フュージョン・ファンの双方を笑顔にする必聴必見のプログラムが昨日から始まりました。リー・リトナー、デイヴ・グルーシン、イヴァン・リンスを中心とする超豪華ステージです。3人が顔を合わせた最新作『ブラジル』のリリース間もない絶好の時期での来日であり、大ヒット・アルバム『ハーレクイン』の制作から40年という節目を祝うものでもあります。いまなお輝きを失わない名人たちの至芸を、ナマで体験できる本当に貴重な機会です。

最初のパートは、カルテットによる演奏。ステージ向かって左から、ピアノとキーボードのグルーシン、ギターのリー・リトナー、ベースのムニール・オッスン(過去、ジョー・ザヴィヌルに捧げた"ザ・シンジケート"や、アルフレッド・ロドリゲス・トリオでも登場経験あり)、ドラムのウェスリー・リトナーが並びます。リー・リトナーは「ご覧の通り左側はオールド・メンで、右側はヤング・メンだ。だけどオールドの方がモア・エナジーなんだよ」とジョークを飛ばし、「Pearl」や大定番の「Lay It Down」などを演奏。鮮やかなギター・プレイの背後で、相槌を打つように美しい和音を鳴らすグルーシンのキーボード・プレイにも聴き惚れるばかりでした。去る6月に90歳を迎えた彼はまた、「この会場では私が一番年上だろうけど、演奏すると年齢のことは忘れてしまうんだ」といいながら、ソロ・ピアノでダスティン・ホフマン主演映画『トッツィー』の主題歌「It Might Be You (Theme From Tootsie) 」などを自作自演。これまたぜいたくなひとときを届けてくれました。

続いてタチアナ・パーハ(ヴォーカル)、ブルーノ・ミゴット(ベース)、エドゥ・ヒベイロ(ドラムス)、マルセロ・コスタ(パーカッション)という"ブラジリアン・フレンズ"たちが合流。ミルトン・ナシメント作「Cravo e Canela」を軽やかに届けます。タチアナのリード・ヴォーカルにハモリを入れるムニールの歌声も絶品でした。その後、万雷の拍手の中を登場したイヴァン・リンスは、先ごろ亡くなった恩師クインシー・ジョーンズ(クインシーはまた、グルーシンやリトナーとも深い縁がありました)とのエピソードを語りながら、「Love Dance」、「Vitoriosa」を歌唱。リリカルなバラードを場内に充満させた後、「Harlequin」では観客とのコール&レスポンスも繰り広げて熱狂させました。

ラストを飾ったアントニオ・カルロス・ジョビン作「Stone Flower」は全員総出で、ソリストをその場でリー・リトナーが指示するという、ある種ジャム・セッション的なパフォーマンス。2ドラムス+1パーカッション、2ベース、2キーボードが発する音の厚みは尋常ではありません。場内が特に沸いたのは、マルセロのトライアングル・ソロ。あの高速3連符はまさに神業といってよく、見る者のトライアングル観にショックを与えたのではないでしょうか。

音楽の喜びにあふれたリー・リトナー & デイヴ・グルーシン with ブラジリアン・フレンズ featuring イヴァン・リンスのブルーノート東京公演は21日まで続きます。文字通りのプレミアム・セッションをお見逃しなく!
(原田 2024 11.19)

Photo by Yuka Yamaji

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【LIVE INFORMATION】

LEE RITENOUR & DAVE GRUSIN
with BRASILIAN FRIENDS featuring IVAN LINS
2024 11.18 mon., 11.19 tue., 11.20 wed., 11.21 thu. ブルーノート東京
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2024 11.22 fri. 高崎芸術劇場 / スタジオシアター
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